血管肉腫とは?

血管肉腫とは血管内皮細胞という血管を構成する細胞が異常増殖する悪性腫瘍です。犬ではゴールデン・レトリーバーで最も好発することが知られていますが、Mダックスフンド、フレンチ・ブルドッグ、コーギーなどの国内で人気の高い小型〜中型犬種においても発生が見られます。
脾臓からの発生が最も多く、その他にも肝臓、心臓、皮膚など様々な部位から発生します。転移率が非常に高く外科切除だけでは治療が困難なため、ドキソルビシン等の化学療法(抗がん剤治療)の実施が推奨されます。抗がん剤治療により生存期間は延長しますが、残念ながら平均的な予後は半年程度であり1年以上生存することは極めて稀なため、新たな治療方法が必要とされております。

犬の血管肉腫における治療

近年、人や犬の血管肉腫の治療において、他の疾患の治療薬として用いられていたプロプラノロール(βブロッカー)という本来は高血圧の治療に用いられる薬の1種や、ユンナンバイヤオという漢方薬が有効である可能性が報告されています。また、ドキソルビシン抵抗性の血管肉腫や、慢性心臓病のためドキソルビシンの心毒性が懸念されるケースではドキシル®(ドキソルビシン内包リポソーム製剤)やアクチノマイシンD、ビンブラスチンといった抗がん剤の投与を実施することで、長期的に腫瘍の進行抑制が可能なケースも見られるようになってきています。

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